●1974:キッチンテーブル (Kitchen table) ●1975:段ボール家具(Corrugated board furniture) ●1975:子供家具(Furniture for children) ●1993:ディスプレー (Display) ●1996:竹の家具(Bamboo furniture) |
家具や小物類は基本的に建築と一体と考えている。 従って住宅設計でも造作として、建築工事に含ませることが多いが必要上別にデザインしたり、趣味として 自作したりもする。 ここで紹介するのはその内の数点である。
【キッチンテーブル】
このキッチンテーブルは自宅を改装した時に設計した。 キッチンをワークスペースとして考え、料理だけでなく、洗濯アイロンをはじめあらゆる家事をここで行う ことにし、家族の日常の食事をここですますことにたしたため、どうしても専用の作業テーブルが必要にな った。 機能として、食卓、調理台、洗濯時の作業台、収納、等々と欲張った要求を妻に突き付けられた。 それに加えて、私はどうせここで日常の食事をするなら、鍋もしたい、焼鳥も食いたい、鉄板焼も子供が 喜ぶだろう。と際限なく欲望が広がった。 結果作ったのがこのテーブルで、まずキャスターをつけて移動できるようにし、天板に穴を開けてコンロ を仕込み、その上に鉄板をかぶせ、さらにその上に天板と同材の蓋をした。 鍋や鉄板焼の時困るのは食材置場なので、天板の下に引出し式の台を5枚仕込んだ。料理に合わせて適当に 引出して使う。残りの部分は収納にした。 このテーブルは好評で、私の設計した住宅の多くで使っている。
【ダンボール家具】
建築模型を作りながら思いついたもので、ダンボールで家具を作ってみた。いろいろ試作したうち、まず は小物をDIYキットで製品化しよう、ということになった。話題にはなりテレビで紹介されたりしたが、 時期が早過ぎたためか、あまり売れなかった。
【子供家具】
DIYの楽しさを子供達に知らせよう、との目的でアメリカのサマーキャンプメープルハーストのため にデザインした。ランバーコアを切抜いた板に、子供達が好きな絵を描き、組立てる。
【ディスプレー】
ミシガン時代からの友人である、宝飾デザイナーの田中治彦君の作品展のためにデザインしたディスプ レーで、私と彼の弟子が製作した。 彼の作品の主題がイルージョンだったので、ディスプレーも同じテーマにした。 宝飾品という極小の世界のデザイナーと、建築という大きな物体を扱うデザイナーが、共同作業すると、 どのような気配ができるか、お互いに勝負であり、楽しみでもあった。 結果として、実際のスケール感を超越した、幻想的な空間を演出できた、と思っている。