【山本邸1974(個人住宅 東京都渋谷区原宿)】

【ヒマラヤ杉の大木を家の中に取込んだ家】

敷地は原宿のど真ん中、東郷神社に近い場所で、戦前からのお屋敷の片隅である。
ファッションデザイナーの、この家の娘さんが自宅を新築するにあたり、母親に提示された条件は、高木を絶対に伐ってはならない、だった。
高木が原宿のビルの目隠しになっているためだった。
高木を建物に取込む手法は、すでに広尾のタウンハウスで経験済みだったので、設計上の問題は無い。 ぜいたくだが、大都会の山小屋として設計した。


Lookong at Entrance 玄関を見る
■具体的には、玄関ホールに穴を開け、そこに大木の幹を通した。雨対策として、幹に上向き傘を取付け、雨水は幹を伝っ床の植込みに落す。
ここは内部と外部の中間的性格の空間である。

○光りの滝
森林の中の住居の欠点は、昼でも薄暗くなりがちなことである。特に北向きなので、より強調される。
その解決方法して、窓を2層分の高さにして、狭い谷間のような、吹抜けを設けた。
ここから光りを滝のように落す。居間から景色は北庭なので、太陽に輝く庭を楽しむ結果となった。。

日照は裏側に連続的な高窓と、スカイライトで確保した。

特殊解だらけの設計だったが、クリエーターである施主の理解があったので実現出来た。
今では懐かしい想い出になっている。


Approach アプローチ

Living room 居間