【宇野沢邸 1990(個人住宅 千葉県金谷町)】

海の男の家

施主はいとこで兄弟のような関係だった。その彼がシンガポールの海洋土木会社を閉鎖して、日本に帰ってきた。自分の故郷の房州の海辺の土地をさがしていたが、見つけてきたのは海岸の野っ原の中の巾5mの道路だった。ここに家を建てろというのだが、無茶な話だ。
でもギブアップは負けになる。勝負と思って知恵をしぼったら、思いがけず良い家になった。



Porch


Bath room 浴室

Living room 居間

【海男の家】

施主は日本のスキューバダイバーで草分け的存在で、シンガポールで海洋土木会社を経営し、館山でダイビングクラブも経営していた。

敷地は、東京湾に面した景色の良い場所だが、巾の狭い約5m海へ通じる道路跡である。 ここに建物を配置すると、船の平面ににた形式になる。そこで船のブリッジをイメージした。
リビングが操舵室、続くデッキが甲板である。 リビングは半円形に傾斜したガラスで囲んだ。このため180度に開けた視界が確保出来た、と共に夕日の眩しさを軽減させた。

外観は正面にシンガポールの古レンガを使用し、他は屋根、壁すべて杉材のウッドシングルで統一した。 潮風対策のためである。 1階は展望風呂とダイビング機材室にし、ここから直接海に出入り出来る。

名称: 宇野沢邸
用途: 個人住宅 新築
場所: 千葉県富津市金谷
構造: 1F RC造、2F 木造
敷地面積: 374m2
延床面積: 241m2
施工: 有限会社 鹿野建設