ヤマハリゾートつま恋 (静岡県掛川市 )

【スポーツと音楽を主題にした、日本最初の会員性総合リゾート】

設計テーマ:大地と建築の融合・人の感性と共に呼吸する空間・時代の変化と共に変化し得る機能

■手前の丸い広場が多目的広場. オールナイトコンサートをした。 (Bird’s eye vieu 全景)

■15年ほど前の写真だが、この時すでに増築を重ね、開業時の2倍の面積になっている。リゾート建築は変化がはげしい。 最初の計画で変化に対応可能なシステムを設定しておくことが大切。(sports man’s club)

■イベント時に使うゲートで数万人の来場者への対応を考慮している。 (Souse Gate 南ゲート)

■丘の斜面に合わせて階段状の建築にした。 (左:Hotel south wing ホテル、右: Out side Concert hall 野外音楽場)

■巨大な建築のため谷間に建設し景観を維持し、コンサートホールと体育館を合体させた建築。(Exhibition hall エキジビジョンホール)

■ 1990に開業時の乗馬施設を撤去しまったく新しい世界水準の乗馬施設 を建設した。ヨーロッパで世界で最も美しい乗馬施設の一つ、と高い評価を受けた。ここでは様々な競技会が常時開催されてている。

Jumping contest ジャンプ競技風景
左:Club house クラブハウス、右:クラブハウスより練習馬場、厩舎を見る
Manege 室内馬場

●施設概要

スポーツと音楽を融合をテーマとした日本で最初の会員制総合リゾート施設として企画した。
1975年の吉田拓朗の8万人のオールナイトコンサートやヤマハポピュラーソングコンテストの会場として知られている。

55万坪の敷地に

○スポーツ施設:ゴルフ、テニス、乗馬、アーチェリー、サッカー、プール、軽スポーツ、
           多目的芝生広場
○音楽施設:エキジビジョンホール、野外音楽場
○宿泊施設:ホテル、ロッジ
などを各ゾーンに分けて配置した。

●設計コンセプト:自然景観、環境の保全
敷地は小さな丘陵が連続する森林地で、樹木も小さいが大森林地域と錯覚する。 ここに規模の大きいスポーツ施設を配置すると、スケールギャップが発生しこの景観を破壊する。
そこで敷地造成では小さな丘をつぶしてその土をダム湖の水面のようにならす手法をとり自然の丘に囲まれた広場を各スポーツゾーンとした。このため人口的な法面のない自然な景観を確保出来た。

スカイラインを保全するために、建築施設は谷間や斜面に配置し、建築巨大さを感じさせないようにした。

施主の強い要望で工期は200万m2を動かす土木工事、建築工事を含めて11ヶ月で完成させた。設計事務所、施工会社のスタッフはみな24時間シフトだった。
当時はオイルショックの真只中で、コンクリートを確保するために、北海道のコンクリート会社に石油を提供するなどと、戦争状態であった。

私は当時33才で設計スタッフもみな若かったのでこの修羅場を乗り切れた。 青春時代の忘れられない想い出である。

 

 

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